
社労士として経営者の方から相談を受ける際に比較的多いので「休み」に関する問い合わせです。
「休日」「休暇」は法律上の意味が異なります。また「公休」「特休」といった日常的な言葉には法律上の定義がなく、会社によって運用がばらばらなため、解釈のずれがトラブルの原因になりがちです。
まずは正しい定義を整理しましょう。
法律上の「休み」は3種類
働く義務がない日② 休暇
本来、働く義務がある日だが、労働を免除してもらう日
③ 休業
一定期間、労働から離れること
① 休日(働く義務がない日)
「休日」はさらに2つに分かれます。
法定休日:労働基準法が定める「週1回」または「4週4日」の休みです。
所定休日(法定外休日):会社が独自に定める休みです(祝日・夏季休暇・年末年始など)。
法律では今のところ「どの日を法定休日にするか」の指定を義務付けていません。ただ今後、法改正により義務付けられる可能性があります。
割増賃金の計算ミスを防ぐためにも、就業規則で「日曜日を法定休日とする」などと明記しておくのが望ましいです。
② 休暇(働く義務があるが、免除される日)
労働義務のある日に、申請によってその義務を免除してもらうものです。
法定休暇:年次有給休暇、生理休暇、子の看護等休暇など。年次有給休暇以外は無給の設定も可能です。
会社独自の休暇:慶弔休暇、リフレッシュ休暇など、会社が福利厚生の一環として設けるものです。
③ 休業(一定期間、労働から離れること)
数日以上にわたる休みを指すことが多く、産前産後休業や育児休業など、法律で権利が保障されているものが代表的です。
混同しやすい「振替休日」と「代休」
この2つは似ているようで、給与計算への影響が異なります。
振替休日
あらかじめ振替える休日を指定して休日と出勤日を入れ替えること
割増賃金(35%増)は発生しません
代休
休日出勤の後で別の日を休ませる
割増賃金(35%増)の支払いが必要です

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定義が会社ごとに異なる「公休」「特休」
現場でよく使われますが、どちらも法律上の定義はありません。
公休:土日祝日を指す会社もあれば、感染症による休みを指す会社もあります。就業規則に明記せず「なんとなく」使うのは避けましょう。
特休(特別休暇):こちらも様々なケースで何となく使われている場合が多いです。内容と条件を就業規則で明確にする必要があります。
法定外の休みをむやみに増やすと管理が煩雑になります。
福利厚生として慶弔休暇などを設けること自体はよいことですが、会社の体力に見合っているか、特定の社員だけが優遇される形になっていないかを慎重に確認してください。
判断に迷いやすいケースと対応の考え方
感染症・長期入院の場合
「病気休暇」を別途設ける会社もありますが、小規模事業場では管理が複雑になりがちです。まずは有給休暇で対応し、不足分は欠勤扱いとするシンプルな運用からはじめるのが現実的です。
入社6か月未満の休み
法律上の有給休暇が発生する前(入社から半年未満)の個人的な休みは、原則として欠勤扱いになります。給与計算では欠勤控除します。
業務災害(労災)による休み
性質がまったく異なります。労災保険からの休業補償が関わるため、有給休暇や私的な欠勤と混ぜて管理してはいけません。
勤怠ソフトの仕様上、表記に制限がある場合もあると思います。その時は、あとで見返したときに理解できるように、備考欄などを活用すると便利です。
同じ無給の休みで「欠勤」と表記されたとしても
私用の欠勤は備考欄に「私用欠勤」、労災により休んでいるときは備考欄に「業務上傷病」と表記するなどです。
まとめ:初めて人を雇う経営者の方へ
初めての雇用では、ルールを盛り込みすぎないことが鉄則です。
・原則は「法定最低限」からスタートする。
・「公休」など紛らわしい言葉は、就業規則で必ず定義する。
・欠勤・遅刻・早退などの日常的な言葉も、計算方法を明確にしておく。
「なんとなく」の運用をなくすことが、従業員との信頼関係を築く第一歩です。判断に迷う場合は、お気軽に当事務所へご相談ください。
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