ハラスメント相談(3)ヒヤリング後 時系列オンライン・全国対応 とくほ社会保険労務士事務所

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2026.7.19 ハラスメント相談(3)ヒヤリング後 時系列整理と対応の注意点 お知らせ コラム 労務

前回の記事では、ハラスメント相談を受けた際の受付手順とヒアリングの進め方について解説しました。

ハラスメント相談を受けたらどう動く?ヒアリングの進め方

今回は、その聞き取りで得た情報を「事実」としてどう整理し、どう処分の判断につなげていくか、そして対応する側が陥りやすい落とし穴について解説します。

参考 厚生労働省 事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針

聴いた情報を整理する

時系列表を作成する

ヒアリングが終わったら、得られた証言を時系列表にまとめます。誰が、いつ、どこで、何をしたかを一覧化することで、話の矛盾点や整合性が見えやすくなります。

複数の証言に共通する部分は、事実として認定してよいと考えられます。一方で、証言が食い違う部分については、それぞれの証言の信憑性(証言者と当事者との関係性、記憶の具体性、他の客観的資料との整合性など)を踏まえて慎重に判断する必要があります。

処分の検討

事実関係が整理できたら、処分の検討に入ります。ここでは、次の2つのバランスを取ることが求められます。

  • 行為者の労働者としての権利
  • ハラスメントに対する会社としての厳しい姿勢

一方に偏りすぎると、行為者からの不服申し立てや、逆に社内でのハラスメント抑止効果の低下を招きかねません。

懲戒処分について

懲戒処分とは、労働者に対する制裁を使用者側の一方的な意思表示によって行使する権利です。就業規則に懲戒処分の手続きに関する規定がある場合は、その手続きに必ず従う必要があります。

特に、就業規則に「弁明の機会を与える」旨の記載がある場合は、これを省略すると処分自体が無効とされるリスクがあるため、必須の手続きとして必ず実施しましょう。

徳島市のとくほ社会保険労務士事務所

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対応にあたっての注意点

「言いがかり」に見えても切り捨てない

調査の結果、相談者の訴えが事実と異なっていたり、大げさに感じられたりすることもあるかもしれません。

しかし、そこで「最近の人はすぐハラスメントだと騒ぐから、今後は真剣に取り合わないようにしよう」といった発想を持ってしまうと、ますます溝が広がります。

こうした対応をしてしまうと、次に本当に深刻なハラスメントが起きたときに、被害者が声を上げにくい職場になってしまいます。一件一件を丁寧に扱う姿勢そのものが、将来の相談しやすさにつながります。

認識のズレを整理する

なぜ、ハラスメントに見えない出来事をハラスメントと訴える事例が発生するのでしょうか?

根底にあるのは、相談者の心の中の不満や葛藤です。ストレスなく働いていたら、ハラスメントを訴えることは考えづらいですから。

相談者が「ハラスメント」という言葉を広く解釈しているのか、業務上の不満や感情的な葛藤が根底にあるのか、あるいは本人の受け止め方に特有の傾向があるのか色々な理由が考えられます。

理由は一つではない場合も多いです。

いずれにしても、たとえ言いがかりと感じたとしても「ハラスメントの定義や会社としての考え方を丁寧に説明し、同時に本人の言い分もきちんと記録に残す」ことが大切です。それでも相談者が、仕事の指示に従わない、「ハラスメント」を恐れて出社しないなどの場合は、また次の対処を考える必要があります。

双方の主張のギャップが大きく、社内だけでは埋めるのが難しい場合は、無理に自己判断せず、弁護士など専門家の判断を仰ぐことをおすすめします。

会社にとって当たり前の慣習が、実は法的に問題を含んでいる場合もありますし、逆に適法な対応が本人には理不尽に感じられているだけ、というケースもあるためです。

より良い職場環境に向けて

個別のハラスメント対応と並行して、職場環境そのものを見直すことも重要です。

  • 業務量や労働時間を精査し、過度な負荷がハラスメントの温床にならないようにする
  • 業務の属人化を減らし、特定の人に負担や権限が集中しない体制をつくる
  • 相談しやすい文化を根づかせる
  • 社内研修などを通じて、ハラスメントについての正しい理解を改めて広める

そして何より、「自分の言動が、もしかしたら相手を傷つけている可能性はゼロではない」という視点を、対応する側も忘れずに持ち続けることが大切です。

誠実にヒアリングし、事実に基づいて判断する姿勢の積み重ねが、風通しの良い職場づくりにつながります。
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