懲戒解雇、普通解雇、整理解雇、雇い止め そ徳島県徳島市のとくほ社会保険労務士事務所

懲戒解雇、普通解雇、整理解雇、雇い止め それぞれの違いは? 新着情報の画像デコレーション
2024.2.21 懲戒解雇、普通解雇、整理解雇、雇い止め それぞれの違いは? お知らせ コラム メンタルヘルス

解雇とは?

解雇とは従業員の同意なく、会社(使用者)側からの一方的な通知により雇用契約を終了させることをいいます。

会社は、解雇させたい日の30日前の通知か、30日分の解雇予告手当を支払う必要があります。
ただし、犯罪行為など従業員がとても悪い場合は、労働基準監督署長の認定を得て、30日を得ずに即時解雇することも可能です。

解雇には、懲戒解雇、普通解雇、整理解雇があります。

さらに、解雇とは別で「雇い止め」というものもあります。

これも、「会社からの雇用契約の終了」です。
「雇い止め」は、期間が決まっている雇用契約で「期間が来たのだから辞めてください」という手続きのことです。

「会社からの雇用契約解除の無効を争っている裁判」がニュースになる場合、上記のどのケースを争っているのかによって論点や見方が変わります。
ネットのニュースサイトでも、懲戒解雇、普通解雇、整理解雇、雇い止め、どれなのか?混乱している記述が正直見られます。

今日は簡単に、それぞれの違いについて、概要を説明します。

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懲戒解雇

従業員がとても悪いことをしたために、会社から懲罰的に退職させることです。
懲戒解雇になると、普通解雇より再就職が困難になることや、退職金が支給されないあるいは減額されるなど、労働者にとって負担の大きい処分になるので、その有効性の判断は厳しくみられます。

懲戒解雇で争点になるのは

・就業規則等に懲戒の種類・程度の定めがあること
・懲戒事由への該当性
・社会通念上相当であること
・弁明の機会
・平等主義
・不当な目的ではないこと
・即時排除もやむを得ない理由があること

別ページで詳しく説明します

普通解雇

普通解雇は、能力不足や勤務態度不良などにより、解雇しなければ企業雲煙に支障をきたすような事情が会社にある場合に適用されます。
従業員が意図的に悪いことをしたわけではないので、会社が必要な教育や指導を行ったのか?を見られます。

普通解雇で争点になるのは

・就業規則等に解雇自由の定めがある
・解雇事由への該当性
・解雇回避努力
・社会通念上相当であること

別ページで詳しく説明します

整理解雇

整理解雇とは、会社の経営不振などで従業員の一部を解雇するということです。
従業員の落ち度は 懲戒解雇>普通解雇>整理解雇 となり、一番小さくなります。

一方で、会社側にも雇用を継続できない事情があるので、具体的に有効性の要件が設定されています。

整理解雇で争点になるのは

・経営上の必要性
・解雇回避努力
・人選の合理性
・手続の相当性

別ページで詳しく説明します

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次に、6ヶ月や1年など、期間の定めのある労働契約の雇い止めです。

 

雇い止め

有期労働契約は、その期間が満了した場合に契約終了することが原則です。

しかし、例えば、契約が何年も反復されており、契約書の取り交わしも個別の面談などはなく判子を押すだけもので、日々「定年まで勤めてね」というような発言を上司からされていたとします。
なのに契約更新の1ヶ月前に「次の更新はありません」と言われて、納得できるでしょうか?

そういった場合に、争いになります。

雇い止めで争点になるのは

・更新基準の明確性
・業務の客観的内容
・労働者の契約上の地位の性格
・当事者の主観的対応
・他の労働者の更新状況
・その他 勤続年数、年齢、契約を締結した経緯など

一見、項目の数が多く感じますが、そもそも雇用契約が反復して更新を繰り返しておらず、従業員側に契約更新への期待もなく、納得して契約期間満了していれば争いにはならないため、契約を結ぶ際の書面以外でのやり取りも重要になってきます。

別ページで詳しく説明します

有期労働契約の契約期間途中の解雇

雇い止めは「2023年12月31日まで」の契約満了に辞めてほしいということ、「契約期間途中の解雇」は満了日よりも前に辞めてほしいということです。

お互いに雇用契約書を取り交わしているため、従業員には少なくとも契約期間満了までは働けるという期待があります。
そんな状況下での「会社からの雇用契約の終了」なので、よほどの事情がない限り契約期間途中の解雇はできません。

有期労働契約の契約期間途中で争点になるのは

・解雇事由への該当性
・直ちに雇用を終了されるような特別重大な事由

後日、別ページで詳しく説明します

内定取り消し、試用期間

労働契約はお互いの「働いてください」「働きたい」という意志が合致したら成立します。
それは、内定であっても同じで、内定承諾書の取り交わしにより労働契約が成立します。

企業側が内定を取り消すには相応の理由がなくてはいけないということです。

内定取り消しで争点になるのは

・解約事由が明示されている
・労働契約開始までに解約の事由に該当したこと

試用期間も、お試しとはいえ労働契約が成立しています。

試用期間満了時の解雇で争点になるのは

・解雇自由が明示されている
・(試用期間の)解雇自由に該当したこと
・当初知り得ることができなかったこと等により、引き続き雇用することが困難であること

試用期間中の傷病については、以前 別ページで触れました

厚生労働省のホームページで労働契約終了のルールについて、わかりやすく説明しています。

こちらもご参照ください

 

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