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2023.2.24 人間関係のトラブルを繰り返す 「パーソナリティ障害」とは? お知らせ コラム メンタルヘルス

いわゆる「大企業」の管理職の方から、ご自身の部下についてご相談をいただきました。

精神的に不安定な部下への対応に悩んでいます。
気分が乗っているときは徹夜も辞さないほど頑張りますが、ちょっとしたことで躓くとやる気を失い、体調を崩して欠勤したり、精神的に不安定になって感情的になったり、落ち込みがひどいときには自殺をほのめかしたりします。リストカットや抑うつを理由に心療内科にかかっいて「パーソナリティ障害なのでは?」と言われているようです。

そこで「パーソナリティ障害」を検索して調べてみましたが種類が多くてよくわかりません。
いずれにしても、本人の行動に、周りの社員が振り回されて困惑しています。
管理職としては、どうしたらいいのでしょうか?

 

パーソナリティ障害とは?

一般論として、パーソナリティ障害だとしたら?という前提に立って説明させていただきます。

パーソナリティ障害とは、性格や行動の著しい偏りのために、本人が苦しんだり、職場や家庭において支障を来すものです。

下記3つのグループ、10種類に分類されています。

Aグループ
奇妙または風変わりな様子を特徴とします。このグループにはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれます。

妄想性:不信と猜疑心

シゾイド:他者に対する無関心

統合失調型:奇妙または風変わりな思考と行動

Bグループ
演技的、感情的、または移り気な様子を特徴とします。このグループにはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれます。

反社会性:社会的無責任、他人の軽視、欺瞞、自分の利益を得るための他人の操作

境界性:一人でいることに関する問題(見捨てられる恐れによる)、感情や衝動的行動をコントロールすることの問題

演技性:人の注意を引きたい欲求と劇的な行動

自己愛性:もろい自尊心、賞賛される必要性、および自分の価値についての過大評価(誇大性と呼ばれる)

Cグループ
不安や恐れを抱いている様子を特徴とします。このグループにはそれぞれの際立った特徴をもつ以下のパーソナリティ障害が含まれます。

回避性:拒絶される恐れによる対人接触の回避

依存性:服従と依存(世話をしてもらう必要性による)

強迫性:完全主義、柔軟性のなさ、頑固さ

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パーソナリティ障害の対応の難しさ

パーソナリティ障害は、性格や行動の著しい偏りのために人間関係が不安定になります。

周囲の人が理解しようとしても、助けてくれる人に依存したり、感情の行き違いにより激しく反発したり、自殺未遂を仄めかしたりするなどの問題が起こると、せっかく味方になろうとしていた周囲の同僚や家族も疲れ果ててしまいます。

糸口として、「本態はパーソナリティ障害であっても、抑うつやリストカット摂食障害などの病的状態を二次的に合併している」ことがあるため、そちらの治療をきっかけに人事的配慮に結びつける方法があります。

対応のポイント

上記の「パーソナリティ障害」10の分類を見ていただくと、どなたでも「ここは自分にも当てはまるのでは?」と感じる部分があると思います。
「性格の偏りやこだわり」は誰でもある程度は持ち合わせています。
人の感情や行動は環境との関係性で変化するため、今、パーソナリティ障害と思われる症状でトラブルを起こしてしまっている人でも、異なった状況下では問題行動は影を潜め、新たな側面を示す可能性も否めません。

短期的対処としては、人事的処遇を含めた職場環境の調整を試みるのが重要です。

具体的には

・二次的な体調不良や抑うつの度合いによっては、業務量の軽減や配置転換などある程度の人事的な配慮をする
・本人の行動や言動の中で、業務を遂行する上で問題となる部分を具体的に把握する
・会社として譲れない部分を明確にする
・文書にして本人に冷静に伝える

という方法です。

自殺をほのめかす、感情的な暴言をいう、攻撃的なメールを送り付けるなどは周囲の人を驚かせるので抑える。
漫然と遅刻や欠勤を繰り返すことはさせず、体調不良が続く場合は会社のルールに沿って医師の診断を受ける。
就業規則に違反するような行為は、病気のためであったとしても処分の対象になることを理解させる。

「会社としてここまでしなきゃいけないのか?」と思われるかもしれませんが、症状によってい苦しんでいる本人のためだけではなく、周囲が巻き込まれないためにも必要な手順です。

まとめ

パーソナリティ障害は、本人の成育歴やこれまでに培った考え方に関わるため、短期間の根本的治療は困難です。
人事的処遇をしながら産業医などを介して本人をカウンセリングにつなげるなど、息の長い対応が必要になります。

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