働く人のメンタルヘルスについて色々と発信してきましたが、症状の経過や段階によって、必要とする情報が変わってきます。
今日の記事では、メンタル疾患の経過と対応の流れを整理します。
大まかな流れ
①症状の自覚
②症状が悪化
③休職
④治療の継続
⑤復職
順番に整理していきます
①症状の自覚
多くのメンタル不調は、落ち込みやすさ、不意に涙が流れる、疲れが取れないなどなど、些細な症状からはじまります。
ご自身でストレスマネジメントを行える段階であれば、休暇を取って体を休めるなど、そこで症状が解消されます。
症状が改善されない場合、産業医への相談や医療機関の受診を検討します。
この段階で「病院にかかるのには抵抗がある・・・」と、一人で抱え込んでしまうと、症状が長引く場合もありますので注意が必要です。
医療機関によっては、なかなか予約が取れないことも少なくありません。
早めに受診を検討されることをおすすめします。
②症状が悪化
症状が悪化し、医療機関など受診したあとは、通院しながら働くことになります。
多くの場合は一度の受診ではなく、薬の作用を確認しながら通院を続けることになります。
メンタル疾患に処方される薬は、一定期間継続して服薬しないと効果が半減してしまいます。
日中、職場で薬を飲みにくい場合などは、医師や薬剤師と相談して朝晩だけの服薬にしてもらうなどしたほうが飲み忘れを防ぐことができます。
それでも症状が改善しない場合は、休職を検討することになります。
職場や家族との調整もあるかと思いますが、まずは第一に健康のことを考えてご検討ください。
就業規則や休業規定など、会社の制度を確認することも大切です。
③休職
休職中はとにかく体を休めること。
休職中の会社の事務手続きの窓口を確認しておきましょう。
ただ、会社からの仕事の連絡は控えていただくようにお願いしてください。
休職当初は生活リズムが乱れてしまうかもしれませんが、服薬や通院は継続してください。
④治療の継続
治療が継続する中で、少し回復してきたら場合によってはリワークプログラムなどに参加します。
回復後は復職を目指すことになりますが、主治医や産業医、会社の人事部門などと相談しながら検討します。
残念ながら会社の休職期限が来た場合は退職となります。
退職後の傷病手当金の継続や社会保険など、休職期限ギリギリではなく早めに確認しておきましょう。
「休職期限が来たので回復していないが復職したい」
という要望を、休職者の方からよく伺います。
ご本人がどのくらい頑張れるか・・・は復職してみないとわからない部分があるので一概に止めることはできません。
しかし、回復していないにも関わらず復職させて症状や状況が悪化した場合、企業が安全配慮義務違反を問われる可能性があります。
復職する(させる)ことは勢いや気合ではなく、慎重に進めてください。
⑤復職
復職当初は、時短勤務や出勤ラッシュを避けるなど配慮が必要な場合もあります。
会社の復職プログラムがあればそれに従う形になります。
その間の賃金や勤怠管理についても、事前に確認してください。
復職後もしばらくは治療が続きます。
通院や投薬を忘れないようにしましょう。
通常勤務に戻ったとしても、まだまだ心身ともに万全ではありません。
「もう回復した」と張り切らずに、再発防止を心がけましょう。
症状や経過による対応の流れを整理してみました。
ご自身の症状に合わせて、情報や行動を選択して下さいね。
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