
タイムカードやパソコンのログ、カードリーダー、手入力や手書きの勤怠簿…、労働者が働いた時間(勤怠)を記録する方法はたくさんあります。こういった「勤怠記録」は社内管理だけのために行うものではなく、行政にも提出する可能性がある「公式な記録」です。
今回は、勤怠記録を正確に残すべき理由について解説します。
■ 勤怠記録は事業主の義務
事業主には、労働者の労働時間を適切に把握し、記録する義務があります。
これは労働安全衛生法に明記されています。
労働安全衛生法 第66条の8の3
事業者は、医師による面接指導を適切に実施するため、厚生労働省令で定める方法によって、労働者の労働時間の状況を把握しなければならない。
面接指導(長時間労働者への産業医面談など)を適切に行うためには、まず正確な労働時間の記録が不可欠です。「何時間働いているか把握できていない」という状態は、義務違反に直結します。
■ 労働時間を「減らす」だけでなく「増やす」もNG
よく問題になるのは、コスト削減や違法な残業の隠蔽を目的に、残業時間を実際より少なく記録するケースです。これは当然違法であり、未払賃金の遡及支払いや、過重労働による健康被害(安全配慮義務違反)などの問題につながります。
一方で見落とされがちですが、実態より多く勤務しているように記録を「増やす」ことも同様に違反です。
たとえば以下のような理由で勤怠を水増しするケースがあります。
・許認可の基準(医療・介護の常勤換算など)を満たすため
・助成金の受給要件を満たすため
こうした行為も、処罰や許認可の指定取り消しの対象になりえます。

徳島市のとくほ社会保険労務士事務所・入退社手続き・就業規則・社会保険の手続き・給与計算をサポートのイメージ
■ 勤怠記録は「行政資料」になる
勤怠データは、次のような場面で外部から確認されます。
・労働基準監督署による調査
・助成金の審査
・各種許認可の確認
つまり、勤怠記録は後から第三者に検証されることを前提とした資料です。実態との乖離があれば、会社としての説明が成り立たなくなります。
サービス残業があまりまえになっている、逆に水増しを業界の慣習として行っている事業主の方の中には「他の事業所もやっているのに」「これくらい調整しないと回らない」という認識の方もいらっしゃいます。
しかし、見過ごされている状態は「問題がない」のではなく、「まだ取り締まりが追いついていないだけ」です。調査のタイミング次第で、一気にリスクが顕在化します。
「社労士に相談すると止められるから、勤怠記録のことは相談したくない」とおっしゃる事業主さんもいらっしゃいます。
ただ、法律に基づいて助言する立場からすると、勤怠記録の改ざんに関与することはできません。
万が一、不適切な助言をした結果として事業主が行政処分を受けた場合、社労士にも責任が及び、都道府県社労士会から懲戒処分を受ける可能性があります。
■ まとめ
勤怠記録は、単なる社内の管理表ではなく、会社の運営を支える重要な基盤です。
実態に合わせて記録する
後から説明できる状態にしておく
この2点を守ることが、結果として会社を守ることにつながります。
————————
とくほ社会保険労務士事務所では、
①初めて人を雇うお客様
②これから人を雇うご予定のお客様
③人事労務に悩む小規模事業所様
を歓迎します
約20年の人事労務経験を持つ社労士が、
採用時の手続きから労働条件の設定、就業規則の作成まで、
安心して進められるようきめ細やかなサポートをお約束します
全ての業務はプロの社労士が直接対応し、全国どこからでもオンラインでご相談いただけます
女性の社労士による丁寧な対応で、小さな会社だからこそ必要な、労務サポートをお届けします
初回相談(Zoom)は30分無料
ぜひご検討ください
サービス内容はこちら
※原則としてオンライン対応のみとさせていただいており
訪問相談、電話相談は対応しておりません





