
相談窓口などで「泣き寝入りしかないんですか」と尋ねられると、返答に迷うことがあります。
今回は主に労働者の方から、こういった質問を受けたときに、私がどんな思考回路で答えているか書いてみたいと思います。
よくある相談内容
実際に多い相談は次のようなものです。
・会社が賃金や残業代を払ってくれない
・上司に改善点を指摘したら、嫌がらせやハラスメントを受けるようになった
・退職するように言われた。会社都合なのに自己都合扱いにしろと言われた
たしかに、未払い賃金は違法となる可能性が高いです。
ハラスメントも厚生労働省の累計に当てはまれば認められるかもしれません。
客観的に合理的でない解雇は、不当として認められる可能性があります。
「法律的には問題がありますね」と評価することはできます。
さて、ここからが難しいのです。
社会保険労務士は、原則として相談者と一緒に会社と戦う立場の専門家ではありません。
社労士の業務は以下の3つが基本です。
・事務(代行)
・助言
・指導
法律上、特定社会保険労務士が「あっせん」に臨む時を除き、紛争の代理人として立つことは原則できません。使用者側にも労働者側にも、です。
そのため「社労士が会社と戦ってくれる」という期待にはなかなか応えられないのです。
正論が通じない相手も存在する
特に対応が難しいのは、違法行為や非違行為など自分に落ち度があると分かっていて開き直っている相手です。
相談者の方は「きちんと話せばわかってもらえるはず」と考え、まっすぐ対応しようとしますが、やればやるほど疲弊してしまいます。
このような場合、私はまず「相手に振り回されるのを、いったんやめましょう」とお伝えしています。
第三者を入れる選択肢
当事者同士で話し続けても消耗するだけの場合、第三者を入れる方法があります。
労働基準監督署
未払い賃金など労基法違反の可能性がある場合、労働基準監督署に相談して指導を求めることができます。
「会社に知られたら怖い」と感じる方も多いですが、第三者が介入することで事態が動くケースもあります。
ADR(裁判外紛争解決手続)
裁判をせずに、第三者の関与のもとで話し合いによる解決を目指す制度です。
・特定社労士による紛争解決手続代理業務
・労働局のあっせん制度
・労働委員会
労働審判や裁判よりも手続きのハードルが低く、「いきなり訴訟は抵抗がある」という方には現実的な選択肢です。
結局、泣き寝入りするしかないのか?
この問いへの答えは「何をもって泣き寝入りと考えるか?」によります。
会社側の言い分を聞いていない段階では、落としどころや白黒のつけ方について簡単には言えませんが、少なくとも言えるのは労使の相性が悪い可能性が高い、ということです。
エネルギーを使って、会社から金銭を支払ってもらえる見込みがあるなら、ADRや裁判で闘う価値はありるかもしれません。
正直なところ「割り切って次の人生に進んだ方がいいのでは」と感じる場面もあります。
もちろん、それを決めるのは相談者ご本人です。
社労士ができるのは、なるべく寄り添いながら、法的な選択肢を整理し、状況が少しでも改善するようにお手伝いすることですが、相談者の方の気持ちを思うと、つい歯切れが悪くなってしまうことも多いです。
無料相談の範囲でも「話して少し楽になった」「道筋が見えた」といっていただけると、少しはお役に立てたかなと感じます。
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