私傷病休職時の休職命令書は、従業員が私傷病により就労できない、もしくは就労を望まない場合に、事業主がその従業員の就労を免除・禁止するために発行される重要な書類です。
欠勤が長引いてしまうと、仕事の割当が難しくなるだけでなく、企業の秩序にも影響を及ぼすため、休職という措置を取ることになります。
ここでは、休職命令書に含めるべき内容と、その注意点について詳しく説明します。
休職命令書に含めるべき内容
休職期間中は無給であること
・休職期間中は給与の支給が停止されることを明記します。また、傷病手当金の案内も簡単に記載しておくと親切です。
休職の開始日
・休職の開始日を明示します。従業員が年次有給休暇の消化を希望する場合は、その終了後に休職期間が開始されることを記載します。
休職期間
・就業規則に基づき、最大でどれだけの期間休職できるかを明記します。
復職時の条件
・復職時には主治医の診断書と会社の判断の両方が必要であることを簡単に記します。この時点で復職条件について詳細に記載すると休職者に「会社が復職を望んでいないのでは?」という懸念が生じるため、詳細な復職手続きについては、従業員が回復してから改めて行うことを伝えます。
休職期間満了時の退職
・休職期間満了までに復職できない場合は退職となることを明示します。ただし、ここではその事実を簡潔に伝えるに留めます。
社会保険料の負担
・休職期間中も社会保険料の支払いが必要です。給与から引き落とせない場合は、振込先を指定し、その振込方法を記載します。
月1度の病状報告
・月に一度、書面またはメールで病状の報告を求めます。連絡先を明記し、適切な連絡方法を指示します。
注意点
休職命令書を作成する際には、以下の点に注意することが重要です。
休職者の心情に配慮
休職者は傷病のため働くことができなくなり、不安や焦りを抱えていることが多いです。その気持ちに十分配慮することが必要です。
従業員に対するネガティブな感情の記載を避ける
休職の決断をするまでの間に、従業員と会社の間で軋轢が生まれている可能性があります。精神疾患の症状により、遅刻や欠勤が増えたり、感情のコントロールがうまくできなかったりするためです。
たとえ従業員の就業態度に不満があったとしても、休職命令書にはそれを記載しないようにしましょう。
「従業員への配慮」ということに加えて、休職命令書で従業員の落ち度を責めるようなことは「パワハラ」と受け取られる可能性があり、法的リスクも発生します。
回復と復職を願う姿勢を示す
就業態度の悪さや周囲との諍いが病気から来ている可能性もあるため、今は従業員の回復と職場復帰を願う姿勢を示すことが大切です。
まとめ
私傷病休職時の休職命令書は、従業員と会社双方にとって重要な書類です。
適切な内容を含め、配慮を欠かさずに作成することで、従業員の早期回復と円滑な復職を支援することができます。
休職者にとって安心できる環境を整えるためにも、これらのポイントをしっかりと押さえておきましょう。
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