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残業が多くてうつ病にかかった社員 どのくら徳島県徳島市のとくほ社会保険労務士事務所

残業が多くてうつ病にかかった社員 どのくらい残業してると会社の責任になるの? 新着情報の画像デコレーション
2022.6.9 残業が多くてうつ病にかかった社員 どのくらい残業してると会社の責任になるの? コラム メンタルヘルス
毎月の残業が60時間超という状態が6ヶ月間続いた中堅社員がうつ病を発症しました。
会社の責任になりますか?

企業には、労働契約に伴い、従業員が生命・身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう必要な配慮をすべき義務(安全配慮義務)があります。(労働契約法第5条)

この義務に違反した結果、従業員が病気になった場合は、会社は従業員に対して責任を負うことになります。

行政の基準

会社が責任を負うかの基準については国が定める「心理的負荷による精神障害の認定基準」が参考になります。

 

労災認定要件として

①認定基準の対象となる精神障害を発病していること
②認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6ヶ月の間に、業務による強い心理的負荷が認められること
③業務以外の心理的負荷や個体側要因により発病したとは認められないこと

を掲げています。

本ケースに照らすと、うつ病は認定基準の対象となる精神障害に該当するため①には該当。
あとは、②③の要件を満たすかどうかを確認します。

②の「業務による強い心理的負荷」とされる基準については

直近2ヶ月連続して1ヶ月あたりおおむね120時間以上の時間外労働を行っていたか
直近3ヶ月間連続して1ヶ月あたりおおむね100時間以上の時間外労働を行っていた

この場合、心理的負荷は「強」と判断されることになり、個人的な要因がない限り、うつ病の発症は業務上の災害と認められることになります。

逆に、これよりも短い時間外労働時間の場合には、「業務による強い心理的負荷」とは認められず、時間外労働だけを要因として業務外の災害と認められることはありません。

 

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裁判例

以上のような行政基準に対し、裁判例では比較的緩やかにうつ病など精神疾患の業務起因性が認められているといえます。

(業務起因性=業務が原因で病気になったということ)

ほとんどの裁判例で、時間外労働に加えて、業務の質や内容、精神的負担を生じさせるできごとなどを総合的にみて、精神疾患の業務起因性を判断しています。

時間外労働時間の数字だけで、企業の責任の有無を判断するのは難しいですが、おおむね直近3ヶ月の時間外労働が1ヶ月平均100時間を超えると、企業の責任が「ある」と判断される傾向にあります。

月60時間くらいの時間外労働時間の場合、このことだけで企業の責任の有無を判断できず、他の要因を見る必要があります。

企業の責任が認められた例

(平成16(ワ)24332  解雇無効確認等請求事件(通称 東芝解雇)
平成20年4月22日  東京地方裁判所)

①直近6ヶ月 1ヶ月平均69時間54分の時間外労働
②初めてやる業務だったこと
③切迫したスケジュールだったこと
④肉体的・精神的負荷を生じさせる業務内容だったこと

→うつ病は業務が原因で発症と判断

企業の責任が認められなかった例

(平成15(ワ)2950  損害賠償請求 平成19年1月24日  名古屋地方裁判所)

①直近5ヶ月 1ヶ月平均47時間から69時間の時間外労働
②受診を始めた時期から、うつ病の発症は業務上とも個体側の要因とも判断が難しいこと
③期間中の休日出勤が1回だったこと
④有給休暇を5日間取得していること

→うつ病発症は業務が原因とは言い切れないと判断

 

今回のケースの場合

毎月の残業が60時間超という状態が6ヶ月間続いた中堅社員がうつ病を発症しました。
会社の責任になりますか?

残業時間だけの長さだけでは、会社の責任は判断が難しく、肯定されたものも否定されたものもあります。

残業時間のほか、従業員が担当していた業務の質や内容、休日の有無、精神的負担を生じさせる出来事の有無などの諸事情によって判断されます。

具体的には、スケジュールがタイトであったり、新規事業の責任者であったり、休日の取得がなかなかできなかったり、肉体的・精神的に厳しい状態であった場合は業務起因性が肯定される可能性は高いといえます。

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